音楽科教育の力

  名古屋市音楽教育研究会  会長
      豊田小学校長    羽生 直子

 

研究会は,会員一人一人の探求心や培ってきたもの,培いつつあるものによって動いている組織です。意欲的な人が集まる研究会だからこそ,個々の力量向上はもちろんのこと,音楽科という教科教育の力を高めたいものです。それには,たとえば,目の前の子どもたちが,

・ 音楽を分析的に見られるようになった。だから一層音楽の不思議さを感じ,深く心が動かされるようになった

・ 音楽のみならず身の回りの音に対しても感覚が鋭くなり,こんなに感性の豊かさがみられるようになった

・ 音楽についての見方・考え方,またそれを伝えるための言語表現や音楽の表現の仕方に成長が見られた

・ 創造的な音楽活動を通して,人間関係力が高まってきた

などという変容が,「音楽科の授業によって実現できた」と自信をもって言える授業を積み重ねることです。言い換えれば,音楽の授業でこのような学習をすれば,生きる力としてこのように働くということを明らかにしていくことです。そのためには,音楽のよさや美しさという価値をどう扱うかというだけでなく,何を学ぶかをよく考えた授業づくりが必要
です。

同時に,狭く深い追求ばかりに陥らず,広い分野・領域を見渡し,様々な知見を音楽科教育に関連付けることを楽しむ心をもちたいものです。

そのために,ぜひ研究会組織を積極的に使ってください。困っていること,気付いたこと,手ごたえのあったこと,挑戦したいことなどを,研究会で人に知ってもらうよう自分が動くことです。その一人一人の小さな発信が,自分自身と仲間を育て,音楽科教育の力を高めるものだと思います。