不易と流行

名古屋市音楽教育研究会  会長
清水小学校      吉川 範行


   「あなたはどうして音楽の先生になったのですか?」と尋ねられ,いろいろ考えた結果,「小中学校での音楽の楽しさや,家での音楽環境から自然に…。」と答えた自分が数年前にあった。

 子どもの立場で眺めた音楽教育の不易の部分を,そこに見ることができる。

 改訂が重ねられる学習指導要領について一生懸命理解しようとしたために,改訂ごとのポイントに気をとられすぎ,ずっと受け継がれている不易の部分とのバランスを崩した指導に陥りやすいという指摘は,指導者がいつも意識していなければならないのではないかと思っている。

   昨年,本校でも3年目の先生が音楽の授業研究を行い「音色・音の高さ・強弱」の違いを聴き分ける実践に取り組んだ。事後検討で「音の高さは今回の共通事項にはいっていない」ことが取り上げられ,「音の高さを音色に含める」考え方で研究をまとめることにした。しかし,共通事項に含まれていないだけで,「音の高さ」は音の要素である。

 今回の新山王先生の音楽教育講演会で,このことについて考えることができ,不易と流行を考えさせられるきっかけとなった。

   小学校学習指導要領の目標ページの解説に述べられている「心情と感性を育成する面と能力を伸張する面とが不即不離として取り扱われ,同時に育てられるべきもの」という表現をじっくりかみしめ,指導にあたっていきたい。